元妻からの養育費等の請求を減額し、短期間で解決したSさんの事例

性格の不一致
会社員
スピード解決
世帯年収:1000万円
離婚後のトラブル
養育費の減額
ご相談者Sさん (中間市)
50代男性
職業:会社員
世帯年収:1100万円
婚姻期間:12年
解決方法:協議離婚
子どもあり


相手:50代パート

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

サポート無 サポート有 利益
養育費等 約292万円 30万円 約262万円の減額

状況

Sさんは、平成8年に妻と結婚し、2人のお子さんにも恵まれましたが、平成20年には協議離婚が成立し、元妻がお子さんの親権者となって監護養育していくことになりました。

その際、Sさんは、離婚協議書と離婚公正証書を作成して、お子さんの養育費についても適正な額で支払うことを約束し、これに基づいて真面目に支払いを継続していました。

ところが、その後、Sさんは、元妻から、養育費の増額や、養育費以外の費用についての金銭支払いを、長年にわたり要求される状態になりました。

Sさんとしても、お子さんのためと思い、公正証書で取り決めた養育費以上の金銭の支払いに応じてきました。

しかし、それでも元妻からの要求はやむことはなく、Sさんに対し、早朝等の非常識な時間帯に頻繁にメールを送信して、金銭支払い要求をしてくるようになりました。

さらに元妻は、Sさんがメールにすぐに返信ができないと、元妻の請求に応じるまで、繰り返し攻撃的な内容の催促のメールを送信し続けてくるという状況でした。

Sさんは、長年にわたり、元妻からの金銭支払い請求に対し応答を強いられたことや、その内容を受け入れて多額の金銭を支払ってきたことにより、精神的にも経済的にも疲弊した状態に陥っていました。

このような中、Sさんは、元妻からさらに、公正証書で決められた養育費以外に約292万円もの金銭支払い要求を受け、Sさんとしても、一旦は電話を通じてこれを支払う旨を回答しました。

しかし、後で思い返した時、これ以上は、精神的にも経済的にも元妻の要求に応じることは難しいと決意しました。

そこで、Sさんは、当事務所の弁護士に相談しました。

 

弁護士の関わり

弁護士は、Sさんの代理人として、元妻に通知書を送付し、養育費等のお子さんのための金銭給付について、適正な額で合意するために協議をさせていただきたいこと、そして、Sさんが一旦は支払うと回答をした養育費以外の約292万円については、書面によらない贈与として撤回可能であるため(民法第550条本文。法律的な解説は後述します。)、本通知書を以って撤回の意思表示をさせていただくことを通知しました。

また、今後は弁護士を介して協議をさせていただくため、元妻からSさんに対しては、電話、メール、SNS、手紙等を含め、直接連絡をしないように通知しました。

このような通知書に対して、元妻からは、予想されたとおり、一旦合意した約292万円の支払いには強くこだわる旨の回答がありました。

そうすると、Sさんと元妻の立場の隔たりは大きく、早期に円満に合意することは難しいかにみえました。

そのため、適正な養育費の支払いを続けつつ、元妻からの養育費以外の高額の金銭支払い要求については応対をせず黙殺する、という対応をすることも考えられました。

しかし、それでは、元妻としては養育費以外の高額の金銭支払い要求をあきらめたわけではないため、弁護士が外れた後、Sさんに対して再度、これを支払うように要求する連絡をし続けることになるでしょう。

Sさんとしては、精神的・経済的な負担が解消されないことになります。

そこで、当事務所の弁護士は、むしろ元妻の話にも真摯に耳を傾け、なぜ、養育費以外に、約292万円もの高額の金銭支払いが必要なのか、話を聴くことにしました。

そうすると、お子さんが発達障害のために様々な問題行動を起こしてしまい、多額の出費が必要となって、元妻としても悩んでいるという事情が明らかになりました。

そこで、当事務所の弁護士は、法律的には、公正証書で取り決めた養育費をお支払いすることで十分父親としての責務を果たしているといえること、約292万円の贈与については撤回の意思表示をしたことで支払いの義務がなくなっていることを、丁寧に、繰り返し説得し続けました。

さらに、お子さんの問題についても、近隣の発達障害の支援機関などを案内し、元妻の直面している問題の解決に貢献できる提案を、丁寧に行い続けました。

その結果、元妻としても、当事務所の弁護士の話に納得していただき、Sさんの依頼から約2週間で、約292万円の金銭支払い要求は取り下げた上、Sさんのお気持ちとして30万円を支払う内容で、早期に合意をすることができました。

その後、合意書を取り交わし、Sさんの依頼から約1か月の短期間で、完全に本件を解決することができました。

今回の事例では、当事務所の弁護士が、Sさんの立場を一方的に押し付ける態度で交渉するのではなく、元妻の置かれている立場にも配慮して様々な提案を行い、双方にとって納得のできる解決を指向する態度で交渉を行ったことが、短期間かつ円満な解決につながったといえるでしょう。

 

補足

本件のメインの法的争点について解説します。

養育費について

養育費は、家庭裁判所の婚姻費用・養育費算定表に基づいて、①夫婦の双方の収入、②お子さんの年齢と人数といった事情を基礎として、適正額が決められることになります。

また、お子さんが私立の幼稚園・保育園、小中高等学校に進学した場合、算定表に基づく適正額に学費の一部の分担額を上乗せすることがあります(これを「私学加算」といいます。)。

さらに、大学等の高等教育機関に進学した場合、養育費の支払いを大学卒業まで延長したり、学費についても収入額等に応じて案分するなどの条項を設けることがあります。

本件では、離婚時に、養育費について、私学加算や大学の学費についても含めた上で、適正額で合意し、離婚協議書及び離婚公正証書を作成していたため、この点について争いとなることは避けることができました。

養育費について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

離婚協議書及び離婚公正証書について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

贈与について

今回の場合、元妻からの養育費以外に約292万円もの金銭支払い要求に対して、Sさんが電話を通じてこれを支払う旨回答したことは、法的には「贈与」(民法549条)の合意となります。

しかし、書面によらない贈与は、履行が終わらない限り、合意した後であっても、いつでも撤回することができます(民法第550条)。

本件では、実際に支払いをしてしまう前(履行前)に弁護士に相談していただけましたので、撤回の意思表示をして、適正額以上の過剰な金銭支払いを防止することができました。

参考条文

  • 民法549条「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。」
  • 民法550条「書面によらない贈与は、各当事者が撤回することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。」

 

法律問題でお困りの際には、ご自身で判断せず、専門家である弁護士にお早めにご相談いただくことが、あなたの身を守るために重要です。

離婚をする際、そして離婚をした後に発生する様々な問題については、当事務所の弁護士まで、お気軽にご相談ください。

 

 

 



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