暴力を主張し自宅を出て行った妻から親権を勝ち取った夫の事例

公務員
相手が家を出ていった
暴力を振るってしまった
DV
親権の獲得
ご相談者Wさん (福岡県直方市)
30代男性
職業:公務員
解決方法:調停離婚
子どもあり (4歳、1歳)
離婚を切り出された

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

掲載日:2017年7月13日|最終更新日:2020年2月4日

サポート無 サポート有 利益
親権 × 親権の
取得
慰謝料 300万円 30万円 270万円

 

状況

ご相談に来られたWさん(30代)は、公務員として働いており、専業主婦の妻との間に4歳と1歳の子どもがいました。

Wさんと妻は、日常的に口論となることが多く、子どもに関し口論になった際、Wさんが妻に手を挙げたことで、妻が1人で自宅を飛び出し、別居することになりました。妻は、Wさんが手を挙げたことにより鼻に怪我をし、警察に被害届を出したことで、刑事事件にも発展しました。

Wさんの妻は、数か月後、弁護士に依頼し、Wさんを相手方とする離婚調停と面会交流調停を申立ててきました。

その一方で、Wさんは、別居直後から、弁護士に相談し、個人顧問契約を利用して親権の取得のためにどうしたらいいかのアドバイスを受けていました。

 

弁護士の関わり

Wさんは、妻との同居中、子育ての手伝いをしていたものの、主には専業主婦の妻が子育てをしていたため、親権の取得は極めて難しい事案でした。

しかし、弁護士が表立って行動せず、Wさんが子どもの監護実績をつめるよう、なにより子育てを優先させること、Wさんの両親等、子どもの世話を手伝ってくれる人と子どものかかわりを強くすること、それらをすべて記録をつけることなどをアドバイスして、Wさん達がしている子育てに関する資料を作りました。

そして、面会交流調停が申立てられた後、Wさん側から面会交流について妻の希望を尊重し柔軟に応じたこと、子ども達の日常生活が妻にも把握できるよう、定期的に写真等を郵送することで妻にも安心してもらい、夫を親権者とすることに同意してもらいました。

慰謝料についても、高額となれば子どもの生活も圧迫されることから、妻の当面の生活保障の意味合いで転居費相当分程度の金銭を設定し、大幅な減額を行ったうえでの離婚を成立させました。

 

 

補足

今回のポイント

夫側の監護実績の蓄積が、親権取得につながったこと

このケースでは、夫の親権取得のため、夫の子育てによる実績を積んだうえで、妻側にもわかる形で記録を残し、妻に夫側に子どもがいても安心してもらえるよう配慮することが必要になりました。

家庭裁判所で親権の争いになった場合、主に以下の点を基にして、どちらが親権者として適格かを判断することが通常です。

  1. ① 過去の監護実績(これまで、父母のどちらが主に子育てを行ってきたか)
  2. ② 現在の監護状況(現在、父母のどちらが主に子育てを行っているか)

今回の場合、①過去の監護実績については、Wさんの妻側に大幅に分がある状態でしたので、Wさん側が、家庭裁判所に親権の適格者として認めてもらうためには、②現在の監護状況について、監護実績を蓄積することが絶対的に必要でした。

そこで、Wさん側において、別居開始から数か月にわたって監護実績を蓄積し、その間の子育てに関する記録を客観的に分かる形で資料化したことで、②現在の監護状況について夫側に分があると家庭裁判所に判断してもらえたことが、Wさんの親権取得につながりました。

 

妻側への配慮が、早期解決につながったこと

母子さらに今回のケースでは、妻側に対し、面会交流についても積極的に行う姿勢をみせ、妻側の不安等を取り除くことが必要でした。

親権の問題は、一方が取るか取られるかの問題となり、妥協や譲歩によって解決することが困難な性質があるため、双方の感情的な対立が激化しやすく、調停が長期化するケースが多いです。

この点、今回のケースでは、感情的な対立の激化と調停の長期化を防止するため、夫側がむしろ妻側に配慮し、妻の不安要素を取り除き、いつでも妻が子どもと関われるような状況を作り出した上で、双方の弁護士と裁判官、調停員からの説得があり、早期解決を実現することができました。

 

弁護士が表に出ず、黒子に徹したことで、妻側から監護者指定と子の引渡しの審判等の強力な法的手続きの申立てを刺激しなかったこと

今回のケースでは、Wさんの妻が弁護士に依頼し、Wさんを相手方とする離婚調停と面会交流調停を申立ててきたのは、別居開始から数か月も経ってからのことでした。

上記のとおり、今回、①過去の監護実績については、Wさんの妻側に大幅に分がある状態でした。

したがって、妻側が、別居開始直後に監護者指定と子の引渡しの審判という手続きを家庭裁判所に申立てをしていれば、妻をお子さんの監護者と指定し、お子さんを妻側に引き渡せとの審判が下された可能性が極めて高かったケースです。

そうすると、別居開始直後からWさん側の弁護士が間に入っていた場合、妻側にも弁護士がついて監護者指定と子の引渡しの審判の申立てに至り、Wさんが親権争いで負けていた可能性が極めて高いです。

しかし、今回は、別居開始から数か月間は、弁護士が表に出ず、Wさんに個人顧問契約に基づいてアドバイスを提供するという黒子に徹しました。

これにより、妻側から監護者指定と子の引渡しの審判等の強力な法的手続きの申立てを刺激せず、その間、Wさん側で監護実績を蓄積できたことが、Wさんの親権取得につながりました。

 

 




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