精算条項を定めたら年金分割の請求はできないのでしょうか?

状況

Aさんは、先日、夫であるBさんと協議離婚を行いました。

AさんとBさんは、協議離婚の内容について書面を作りましたが、年金分割の制度を知らなかったため年金分割についての条項は定められていませんでした。

後日、年金分割の制度を知ったAさんがBさんに年金分割の話し合いを求めたところ、協議離婚書の中に「当事者間には何ら債権債務が存在しないことを確認する。」という精算条項が入っていたため、年金分割は請求できないと言われました。

悩む老夫婦のイメージイラストこのような場合、Aさんは年金分割の請求はもうできないのでしょうか。

【弁護士の回答】

精算条項があっても年金分割請求は可能です。

○を出す主婦のイラスト離婚においては、協議離婚であれ調停離婚であれ、具体的な離婚の条件について当事者間で話し合いをし、その内容を書面化することが多く、また、その中には精算条項を入れるのが一般的になっています。

精算条項を入れた場合、当事者の間に債権債務がなくなってしまうため、年金分割請求もできなくなると考える方が多くいらっしゃいます。

しかしながら、年金分割請求権は、厚生労働大臣等に対する公法上の請求権であり、当事者の一方から他方に対する請求権ではありません。

そのため、精算条項により当事者間に債権債務がないことを確認しても、年金分割請求権については、この精算条項に拘束されることなく後日年金分割請求をすることが可能になります。

デイライト法律事務所小野佳奈子したがって、Aさんの場合についても年金分割請求をすることが可能であり、Bさんが話合いに応じてくれなければ、Aさんとしては家庭裁判所に申立てをして年金分割の按分割合を定めることができます。

また、3号分割の場合には、Bさんとの話合いをすることなく年金分割をすることができますが、年金分割の対象期間等に注意が必要となります。

さらに、年金分割請求は、離婚をした日の翌日から2年以内にしなければならないので、離婚後に年金分割請求をする場合には期限にも留意してください。

 



「年金分割」についてよくある相談Q&A


よくある相談Q&A