年金分割をしない合意をしてしまったのですがどうすればよいですか?

状況

悩む主婦のイメージイラストAさんは、夫であるBさんに対し年金分割を請求しないという条件でBさんと離婚をすることになりました。

Aさんは、Bさんと早く離婚をしたい一心でこのような条件に同意してしまいましたが、離婚成立後に年金分割をしない同意をしたことを後悔していました。

AさんはBさんに対してもう年金分割の請求をすることはできないのでしょうか。

【弁護士の回答】

デイライト法律事務所小野佳奈子年金分割をする際、合意分割においては、当事者間でどのような割合で年金分割をするかを定める必要があります。

按分割合については、家庭裁判所に調停や審判を申し立てて定めてもらうことも可能ですが、按分割合は2分の1とされることがほとんどであることから、当事者間の合意においても2分の1と定めることが多いようです。

しかしながら、今回のAさんのように離婚に応じるという条件や、慰謝料請求をしないという条件で年金分割を請求しないことに同意してしまうケースがあります。

ここで、年金分割請求権は、厚生労働大臣に対する公法上の請求権であり、当事者の一方から他方に対する請求権ではありません。

したがって、単に当事者で精算条項を入れた場合(「当事者間には何らの債権債務が存在しないことを確認する。」等の条項。)には、当事者の一方はこの条項に縛られずに年金分割請求を行うことが可能です。

しかしながら、当事者間で裁判所に申立てをしない旨の合意をすることは可能であり、「年金分割の按分割合に関する処分の審判又は調停の申立てをしない。」との合意をすることは可能です。

その場合は、結局、当事者間(裁判所を通じても)で年金分割の按分割合を定めることができず合意分割はできなくなります。

もっとも、3号分割の場合は、按分割合は2分の1と固定されており、相手方の同意も必要ではないため、仮に、裁判所に年金分割に関する申立てをしない旨の合意をしたとしても3号分割の請求をすることは可能となります。

 

 



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