年金分割しなかったらどうなる?年金分割しない合意の効力を解説

掲載日:2016年3月11日|最終更新日:2019年8月8日

状況

Aさんは、夫であるBさんに対し年金分割を請求しないという条件でBさんと離婚をすることになりました。

Aさんは、Bさんと早く離婚をしたい一心でこのような条件に同意してしまいましたが、離婚成立後に年金分割をしない同意をしたことを後悔していました。

AさんはBさんに対してもう年金分割の請求をすることはできないのでしょうか。

 


弁護士年金分割をしないと将来受け取る年金額の増減がありません。

年金分割をしない旨の合意については、法的効力が認められない可能性があります。

また、3号分割は単独でも手続きが可能です。

年金分割とは?

年金分割とは、厚生年金制度に加入されている方、または加入されていた方が離婚等をした場合に、年金に係る標準報酬等を当事者間で分割することができる制度をいいます。

日本人の平均寿命が上昇している現在、年金は老後の生活を支えるための重要な資金源となります。

そのため、年金は離婚の際に押さえなければならない重要なポイントの一つといえます。

年金分割を請求したいという方は、こちらのページもご覧ください。


年金分割を減額されたいという方は、こちらのページもご覧ください。

 

年金分割をしない合意の効力

年金年金分割をする際、合意分割においては、当事者間でどのような割合で年金分割をするかを定める必要があります。

按分割合については、家庭裁判所に調停や審判を申し立てて定めてもらうことも可能ですが、按分割合は2分の1とされることがほとんどであることから、当事者間の合意においても2分の1と定めることが多いようです。

しかしながら、今回のAさんのように離婚に応じるという条件や、慰謝料請求をしないという条件で年金分割を請求しないことに同意してしまうケースがあります。

ここで、年金分割請求権は、厚生労働大臣に対する公法上の請求権であり、当事者の一方から他方に対する請求権ではありません。

したがって、単に当事者で精算条項を入れた場合(「当事者間には何らの債権債務が存在しないことを確認する。」等の条項。)には、当事者の一方はこの条項に縛られずに年金分割請求を行うことが可能です。

しかしながら、当事者間で裁判所に申立てをしない旨の合意をすることは可能であり、「年金分割の按分割合に関する処分の審判又は調停の申立てをしない。」との合意をすることは可能です。

その場合は、結局、当事者間(裁判所を通じても)で年金分割の按分割合を定めることができず合意分割はできなくなります。

もっとも、3号分割の場合は、按分割合は2分の1と固定されており、相手方の同意も必要ではないため、仮に、裁判所に年金分割に関する申立てをしない旨の合意をしたとしても3号分割の請求をすることは可能となります。

 

 

年金分割をしない合意をしたときの3つの問題点

年金分割をしない旨の合意を行ったケースでは、以下のような共通した問題が傾向として見受けられます。

 

年金分割について正確に理解していない

年金分割の制度は、複雑で、素人の方には理解しにくい傾向があります。

年金分割を行った場合と年金分割を行わなかった場合について、どの程度の差があるのかは離婚を考えた場合は押さえるべきポイントです。

これらについて、まったく理解しないまま、年金分割をしない合意を行うと、大きな損失を受ける可能性があるので注意が必要です。

 

当事者間の協議が難しい

「年金分割が公法上の請求権であるから、年金分割をしない旨の合意の効力は無効」と相手に伝えても、相手は理解できない場合が多いと思われます。

また、年金分割をしないことを条件として、離婚に応じてあげたのに、その約束を反故にして、年金分割を請求されると、相手は、騙されたような気持ちになるでしょう。

相手は「公法上の請求権」などと理屈を述べられても、到底納得できず、感情的になると想定されます。

このような状況では、冷静に話し合うことが難しいと思われます。

 

解決まで長期間を要する

当事者間での話し合いが難しい場合、年金分割の調停手続きを利用することとなりますが、調停は一般的に長期化する傾向です。

また、調停は平日の日中に行われます。したがって、お仕事をされている方は会社を休まなければならないでしょう。

このように、調停手続きは、当事者の方に大きな負担がかかる可能性があります。

 

 

年金分割の問題を克服する方法

デイライト法律事務所宮崎晃年金は、離婚後の生活のために重要な制度です。

しかし、年金分割でもめると、当事者間での解決が難しい場合があります。

また、調停手続きは可能であれば避けるべきです。

このような年金分割の問題を克服するために、弁護士を代理人として、仲介役になってもらうという方法があります。

離婚問題を専門とする弁護士であれば、年金分割の制度に精通しており、相手と冷静に話し合ってくれることが期待できます。

また、弁護士を代理人とすることで、調停手続きを回避し、示談で解決できる可能性があります。

そのため、年金分割でお悩みの方は、離婚専門の弁護士にご相談されることをお勧めします。

デイライトの離婚事件チームは、離婚問題に注力する弁護士のみで構成されたプロフェッショナル集団です。

年金分割について、強力にサポートしていますので、お気軽にご相談ください。

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