夫婦関係が破綻していたら慰謝料請求はできないのでしょうか?

状況

浮気のイメージイラストAさんは、Aさんの夫であるBさんと不倫をしたCさんに対して不倫についての慰謝料請求をしましたが、BさんとCさんは、不倫をした時には既にAさんとBさんの夫婦関係は破綻していたのでAさんに対して慰謝料を支払う必要はないと主張ました。

このような場合、Cさんは本当にAさんに対して慰謝料を支払う必要はないのでしょうか。

【弁護士の回答】

AさんとBさんの婚姻関係が既に破綻していた場合には、特段の事情のない限り、CさんはAさんに対して不法行為の責任を負わず、慰謝料の支払いをする義務はありません。

したがって、AさんのCさんに対する慰謝料請求は認められないということになります。

×を出す男性のイラストなぜなら、不倫が違法となるのは被害者である一方配偶者の結婚生活の平和という権利利益を害するためであり、婚姻関係が破綻している場合には守られるべき権利利益はないということになるからです。

そのため、不倫の慰謝料請求をされた場合には、不倫よりも前に夫婦関係が破綻していたことを反論することになります(「破綻の抗弁」といいます。)。

もっとも、過去の裁判例を見ても破綻の抗弁が採用されるのはかなり限定された場合であり、破綻の抗弁は認められ難いというのが現実です。

 

197347ここで、具体的に破綻の抗弁を主張する際に重要となる事実はどのようなものかをご説明します。

まずは、別居の有無です。

別居といっても、短期間の別居や、別居後同居を再開した場合には、破綻が否定される傾向にあり、具体的にどれくらい別居の期間が必要かについては事案ごとに異なってきます。

次に、夫婦の離婚話が具体的に進んでいることです。

夫婦喧嘩の際に離婚の話が出ることがありますが、夫婦関係が破綻しているとまで言えるためには、離婚届けを作成したり、離婚調停を申し立てたりと離婚話が具体的に進んでいる必要があります。

もっとも、単に離婚届を作成しているだけという場合には破綻が認められないこともあり、破綻しているか否かは様々な要素を考慮して判断されることになります。

 

デイライト法律事務所小野佳奈子以上のように、破綻の抗弁が認められ得るか否かについては、専門的な判断が必要であるため、是非一度専門家である弁護士にご相談されることをお勧めします。

 



「慰謝料」についてよくある相談Q&A


よくある相談Q&A