元夫が破産した場合、養育費の支払いは受けられなくなってしまうのでしょうか?

Q:元夫が半年前から養育費を支払ってくれないのですが、共通の知人から聞いたところ、借金が重なり自己破産を考えているようです。
自己破産をすると債権の請求ができなくなると聞きました。
元夫が自己破産した場合、今後、養育費の支払いを受けられなくなってしまうのでしょうか。

養育費の支払義務のある親が破産しても、養育費の支払債務は免責されず、破産後も養育費の支払義務があります。

倒産、破産のイメージイラスト

破産は、債権者に対して債務を負う者が、自分が負っている債務を全部弁済することができない場合、自分の財産を債権者らに提供して換金するなどしたうえ、公平に配分する手続です。

破産手続きによる債務処理が終わり、破産者の「免責」決定が確定すると、原則、債権者は破産者(債務者)に対し、対象となる債権(免責債権)の支払いを請求できなくなります。

こうした破産手続きで対象となる債権は、原則として裁判所によって破産開始決定がされた時点に存在する債権であり、その時点までに支払期日が到来する養育費も、対象となります。

 

子供達のイラスト養育費は、支払義務のある者に対する債権であり、強制執行が可能な債権ですが、破産手続き上、ほかの債権者に優先するわけではなく、ほかの債権者と公平に取り扱われます。

しかし、養育費は子どもの生活保持のための扶養義務に基づく債権という性質上、破産手続によっても免責債権となりません(破産法253条1項4号)。

 

《養育費の調停成立後、破産開始決定の時点で未払分の養育費について》

困る主婦のイメージイラスト破産開始前に支払期日が到来する養育費は、破産手続きで処理される債権として、破産手続きによってのみ回収すべきこととなり、破産手続きが続いている間、強制執行することはできません。

未払分の養育費については、破産債権として届出をし、破産管財人が破産する人の財産を換金するなどして、ほかの債権者と公平に分配することになります。

もっとも、養育費債権は上述のとおり免責債権とならないため、破産手続きが終了して免責決定がされても、破産前に未払いとなっている養育費のうち破産手続きでも分配を受けられなかった残額分を、あらためて養育費支払義務のある親に請求することができます。

《破産手続き終了後に生じた養育費債権》

母子のイラスト養育費債権は免責債権とならないことから、養育費支払義務のある親が破産し、破産手続きが終了した後であっても、養育費支払義務が子どもが成年に達するなどして終了するまで、その支払を求めることができますし、新たに取得した財産に対して強制執行することも可能です。

 

デイライト法律事務所勝木萌相談風景以上が法律上のお話になりますが、養育費支払義務のある者が破産する場合、実質的に回収が困難であるといえます。

強制執行によっても、その対象となる財産を有しないのが通常だからです。

 

 



「養育費」についてよくある相談Q&A


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