財産分与の請求手続き

手続きに入る前に

財産分与請求の手続きに入る前に、まずは財産を把握することが重要です。

「どのような」財産が、「どのくらい」あるのかを正確に把握しておくことで、本来もらえるはずの財産をもらい損ねたという事態を防ぐことができます

具体的には、以下の事項について書類を入手して把握しておくといいでしょう。

・預貯金・・・通帳のコピー
・不動産・・・権利証のコピーまたは登記簿謄本(登記事項証明書)、ローンの残額が分かる書類(売買契約書など)
・有価証券・・・取引明細書(銘柄、数、証券会社の把握)
・生命保険・・・保険証券のコピー
・退職金・・・就業規則(賃金規定)等
・その他の財産・・・財産の内容がわかる書類

財産分与の請求で注意しなければいけないのは、財産分与を請求できる権利には期間が設けられている点です。すなわち、離婚成立から2年が経過した場合、財産分与請求はできなくなります

したがって、なるべく早く対処することが肝心です。

 

財産分与請求の手続き

財産分与請求の手続きを簡単に記載すると下記のようになります。

1) 夫婦での話し合い
2) 調停の申し立て
3) 審判または裁判の申し立て

 

1) 夫婦での話し合い

財産分与を請求したい場合、まずは夫婦で話し合いの場を持ちましょう

話し合いで決める際のポイントは、支払計画を明確にし、その内容をきちんと文書化するということです。

支払計画とは、支払う「金額」「方法」「期間」を意味します。特に、支払方法は一括払いにすることをおすすめします。分割払いにしたために、途中で支払いが滞る例が多く見られるからです。

話し合いで決められた内容は、公正証書や離婚協議書などに文書化して残すことが重要です。相手が支払いに応じない場合、その後の手続きで証拠として効力を発揮します。

2) 調停の申し立て

話し合いをしたが額に不満がある場合や、離婚後に財産分与の請求をしたい場合には、調停を申し立てます

離婚事件については調停前置主義がとられているため、いきなり訴訟を提起することはできず、まずは調停を申し立てる必要があります

調停では、離婚に至った経緯や原因、夫婦で協力して得た財産、財産形成への貢献度などについて聞かれます。調停で和解が成立すると、双方が合意した内容や金額が記載された調停調書が作成されます。

調停調書は法的拘束力を伴うため、相手が決められた内容に従わなければ、強制執行手続きをとることができます

3) 離婚訴訟の提起

d1bc45b98561e7243cd0ff12c114832d_s調停が成立しなかった場合は、離婚判決を求める訴えを提起する必要があります。

離婚については、調停が不調になっても当然訴訟に移行するものではなく、改めて訴えの提起が必要です。なお、婚姻費用に関しては調停を申し立てていた場合、不調となれば当然に審判手続に移行することとなります(乙類審判事件)。

判決は法的拘束力を伴うため、相手が決められた内容に従わなければ、強制執行手続きをとることができます

 

 



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