子の引渡しを求める

子の引渡しを請求する

夫婦が別居している場合に一方が子を連れて別居を開始した場合、離婚後親権を取得したのに相手方が子を連れ去った場合、子の引渡を請求する方法としては、家事審判の申立てと人身保護請求の申立てとがあります。

 

家事審判を申し立てる

子が共同親権に服している場合(離婚調停中など)

この場合、子の監護に関する処分として、子の引渡し及び監護権者の指定の家事審判を申し立てます。

 

離婚が成立し親権者が決定している場合

親権者が非親権者に対して申し立てる場合、子の引渡しの家事審判となります。
非親権者が親権者に対して申し立てる場合、子の引渡し及び監護権者の指定ないし親権者変更の家事審判となります。

 

家事審判の判断基準

申立人と相手方のいずれに監護させることが子の利益・福祉に適うかが判断基準となります。
したがって、親権者の指定と同様の要素から判断されることとなります。

 

人身保護請求を申し立てる

これは、本来、拘束されている者の身体の自由を回復するための手続であり、人身保護法という法律に基づく手続です。この手続を利用して子供を引き取る事が可能になる場合があります。手続の迅速性・強制力が認められることが特徴ですが、拘束に顕著な違法性があることが要件となってきますので、子どもの争奪合戦の最後の切り札といわれています。
現実的に相手方のもとに子供を留めておくと、子供に悪影響を及ぼすおそれがあり、一刻も早く子供を引き取る必要がある場合、人身保護を地方裁判所に請求するという手続になります。請求後、1週間以内を目処に審問が開かれます。審問で相手方の行動の違法性が認められると、5日以内に子供の引渡しを命じる判決が出ます。 もし、相手方が判決に応じない場合は、勾引ないし勾留することができます。

 

人身保護請求の判断基準

①子の身体の自由が拘束されている。
②拘束が法律上正当な手続によらないで行われている。
③②の違法性が顕著である
④人身保護請求によるほかに方法がない。

 

家事審判と比較した場合の長所・短所

人身保護請求は、手続が迅速であり、かつ、拘束者に対する勾留といった強制手段があること、また、請求者の住所地にも管轄が認められることが長所と言えます。反面、身体拘束の違法性が顕著であると言った要件をクリアーしなければならず、なかなか認めてもらうのが難しいということが短所と言えます。

 

人身保護法を使うということに対する考え方

冒頭でも記載させて頂きましたが、人身保護法の適用を使用することは「最後の切り札」となります。ここまでに至るケースでは、夫婦相当共に感情が高ぶっているため、本当に薄氷を踏む思いで、立ち会うことになります。この手続を利用する場合、当事者双方共に、子どもに対する愛情はすごく深い方が多いようです。

いずれにしても、子の引渡しをめぐる紛争については、手続について熟知している弁護士に依頼しなければ、適切なアドバイスは受けられないと思います。

 

 



その他「離婚と子ども」について

離婚にまつわる子どもの問題について解説します!