年金分割のケーススタディ

年金分割におけるさまざまなケースをまとめましたので、参考にしてください。

1)夫婦が共働きの場合
2)事実婚の場合
3)離婚後に夫が死亡した、再婚した場合
4)年金分割時にすでに年金の支給を受けている場合

 

1)夫婦が共働きの場合

210054年金分割を受けられるのは専業主婦だけではありません。例えば、夫婦ともに会社員で共働きだった場合でも、離婚時の年金分割の対象となります。

婚姻期間中に夫も妻も会社員だった場合、離婚時の年金分割の対象となるのは、婚姻期間中の双方の年金の合計額です。双方の年金を比べ、その総額が多い方の年金を少ない方に分割します。年金合計額の半分を上限、年金が少ないほうの金額を下限として、この範囲内で割合を決めます。

年金分割の制度や分割の手続きについては、熟年離婚と年金の問題のページをご覧下さい。

婚姻期間中の一定期間だけ共働きだった場合は、専業主婦だった期間と、会社員として共働き状態であった期間を分けて考えます。平成20年4月以降、専業主婦であった期間分の年金分割は、夫の年金の5割が自動的に分割できます(3号分割)。

平成20年4月以前の専業主婦であった期間や、会社員であった期間については、夫婦間で話し合うか、裁判所の決定による年金分割を行うことができます。

 

2)事実婚の場合

正式に婚姻届を提出していないが、内縁関係である事実婚の場合でも、年金分割は可能です。ただし、事実婚の場合は、分割の対象となる期間は専業主婦であった期間に限られ、働いていた期間の夫の年金は対象外となります。

事実婚であった夫婦が婚姻届を提出して法律婚に移行した場合、事実婚の期間と法律婚の期間を一体化させて年金分割の対象とします。法律婚へ移行した時点で事実婚は解消されますが、この時点では年金分割を請求することはできません。

逆に、法律婚であった夫婦が離婚し、その後事実婚に移行した場合は、その時点で年金分割を請求することができます。さらに、その後事実婚も解消された場合は、事実婚の期間のみを対象として年金分割を請求することができます。

 

3)離婚後に夫が死亡した、再婚した場合

夫が死亡した場合、夫に対する年金の支給は行われません。ただし、夫が死亡しても、一度妻に分割された分の年金は変更されないため、妻は年金分割を受けることができます。

離婚後に夫が再婚した場合も同様に、離婚した妻に一度分割された分の年金は変更されません。したがって、妻は当初の予定通り、年金分割を受けることができます。

つまり、夫が死亡、あるいは再婚した場合でも、妻が受け取ることができる年金分割の金額は変わりません。

 

4)年金分割時にすでに年金の支給を受けている場合

離婚時に65歳を超えており、すでに年金を受け取っている場合には、年金分割は分割請求をした日の翌月から有効となります。ただし、年金分割を請求する以前にさかのぼって、年金が変更されることはありません。

したがって、年金分割の請求手続きが遅れると、その分の金額が受け取れなくなりますので、注意が必要です。

 

 



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